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岡部昌生・港千尋 わたしたちの過去に、未来はあるのか

岡部昌生 港千尋
わたしたちの過去に、未来はあるのか
The Dark Face of the Light
ヴェネチア・ビエンナーレからの10年
VENEZIA ROMA PARIS 2007
NOVEMBER HIROSHIMA 2017

 

■会期

2017年11月14日(火)〜19日(日)
11:00-20:00(最終日は16:00まで)

 

今回の展覧会は、2007年のヴェネチア・ビエンナーレ日本館展示から10年を節目とするものである。この間わたしたちは国内はもとより、オーストラリア、レバノン、中国など、実にいろいろな場所で制作や展示を行ってきたが、あえてそれらをまとめるのではなく、2007年だけに限定することにした。10年のファイルを整理してファイルを閉じるのではなく、むしろもう一度開けようと思ったからである。ディケイドを読み直すために、最初に戻ることにしたのである。(港千尋「見出される時への旅」より)

 

■3会場で同時開催
gallery G 広島市中区上八丁掘4-1
ギャラリー交差611 広島市中区橋本町6-11縄手ビル2F
Gallery Node(Creative lab node Hiroshima)広島市東区光町2-2-1-1 F

 

■まいにちギャラリートーク 岡部昌生×広島人 11月14日(火)〜18(土)19:00〜20:00  場所 gallery G
■対談 岡部昌生×港千尋 11月19日(日)13:00-15:00  場所 gallery G

■公開制作
会期中「被爆樹に触れて」ユジェン・バフチャルに応えて〈最後の〉公開制作
安楽寺の大イチョウ♂・縮景園の大イチョウ♀(予定)

 

旧宇品線のプラットフォームの被爆石が中央に並び、その凹凸を紙に鉛筆で擦りとった膨大な作品で壁を埋め尽くされたヴェネチア・ビエンナーレ日本館。岡部昌生がヴェネチア・ビエンナーレに参加したのが2007年。コミッショナーを務めたのが港千尋だった。
「出兵」と「被爆」という、戦争の加害と被害の両方の歴史を内包する広島のこの石をテーマとした作品は、ヴェネチアをきっかけとして、タスマニアの美術館MONAへの恒久展示をはじめとして、ベイルートなど世界中で発表されてきた。そしてヴェネチアで得た問いから始まった広島の被爆樹木の樹皮を摺りとる「被爆樹に触れて」は、福島での「被曝樹つづける樹」の制作へ繋がり、現在も制作は続けられている。

岡部昌生の制作スタイルの特徴はワークショップにある。背景にその土地のさまざまな人のサポートや参加があって作品が作られていく。世界各地での展覧会では、制作に関わった人や街ごと距離や時間を超えて世界中旅に連れて行ってくれているように思える。

2007年から10年。この間日本は東日本大震災、津波、原発事故を経験し、自然災害も度重なる。不安定な世界情勢の中、戦争や核の危機を身近に感じるようになった。今改めてここ広島でこの展覧会を通して、過去から未来へと繋がる問いの答えを探したい。