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【終了】旧日銀・広島アートスポット 王子駿「光に向かって Toward the light」

 

旧日銀・アートスポットvol.10
王子駿
光にむかって Toward the light

2018/1/16(火)〜22(月)
10:00〜17:00

旧日本銀行広島支店(広島市中区袋町5-21)

企画:ギャラリーG
旧日本銀行広島支店における市民提案による文化イベント実施事業(広島市事業委託)

 

 

王 子駿(おう・ししゅん)

1990年生まれ。中国福建省出身
現在、広島市立大学大学院油絵研究在学
2013 けんしん美術展(大分県)
2014 「アートの森」絵画展(iichiko総合文化センター・大分県)
2015 「別府若手作家油彩画展」(大分県・別府市)
2016 国立病院機構 呉医療センター・中国がんセンター 優秀賞
2017 「642 Conference」展(ギャラリーブラック・広島市)

 

 

 

作家インタビュー(EXsite News vol.34より)

  • 広島に来たきっかけ
    中国にいる時は、デザインを学んでいました。画家になりたいと思い、父が大分県別府市で研究をしていたことから別府大学を紹介してもらいました。約半年間日本語を勉強して、別府大学の油絵専攻に入りました。それが初来日です。次第に写実絵画に興味を抱くようになり、広島市立大学の先生が学内にいて相談したのがきっかけで広島に来ました。
    初めて広島に来て、平和記念公園や原爆ドームを見たときの、言い表しようのない気持ちは今でも心に残っています。

 

  • 中国と日本の違い
    意識や考え方など、中国と日本にはかなりの違いがあると思います。しかし、その違いこそがアートの世界に対する様々なモチベーションに繋がっているのではないでしょうか。昔に比べて、現在の中国のアートマーケットはどんどん活発化していますが、日本のアートに関する情報はかなり少なく感じます。同時に、日本にも同じことが言えます。
    今後、自分が活動していく中で、中国と日本の間に芸術交流をするきっかけを作れたらいいなと思っています。

 

  • 制作について
    主に古典絵画の技法を用いて写実的な作品を制作しています。古典絵画の技法といっても意味合いは広く、今は実験的に画材を使っているという感じです。たとえばプリマ描きをするには乾燥が遅いものを使用するなどして、描きたい作品によって使い分けています。
    わたしの場合はまずキャンバスに鉛筆でデッサンし、その上から油彩で薄く着色します。今回展示している「無題」(2016/2017)は実際に血管を描き、肉をつけていく作業をしました。肌の部分は20〜30層ぐらい塗り重ねていますが、服や頭蓋部分は1桁程度です。
    描くときは、概念よりも衝動や感覚に従うようにしています。やはり絵を描きたいという根源が大事だと思うからです。気持ちが高まると時間を忘れて描き込みが進むと同時に、自分の内在的なものが作品にどんどん流れ込んでいく、その感じが好きです。ひとつひとつの作品に命を創造するような感覚で制作しています。
    そのようにして作品自体が何かを語るようになってから、コンセプトを詰めて行きます。このとき注意したいのはコンセプトを大切にしすぎて作品自体の価値が弱くなってしまうことです。コンセプトのために作品があるのではなく、作品のためにコンセプトがあるようにしたいのです。

 

  • 旧日銀での展示について
    今回の展示作品には、見えない信念を描くというコンセプトがあります。何を考えているのか、何を望んでいるのか、そして何を信じているのかを、描かれた人物の表情や目線を通して表現しています。
    これからは、技法的に細密に描くだけでなく、全体の繊細さを描くことに挑戦していきます。対象の雰囲気をうまく捉えることを目指して、写実絵画の制作を続けていきたいです。