作家略歴
呉市出身。のどかな瀬戸内海と山に囲まれたこの地で育つ。
高校時代油絵に出会い、以来描き続ける。
《主な個展》
2013・2015・2017・2019 ・2021・2023・2025 楓ギャラリー(大阪市中央区)
2014・2016・2018・2022・2024 ギャラリーアーティスロング(京都市三条通り)
2016 アートスペース銀座ワン(東京都中央区銀座)
2016 ギャラリープラネットルージュ(パリ7区)
2018~2025、毎年 岡アートギャラリー(岡山市中区)
2018 安芸高田市立八千代の丘美術館
2018・2019 ギャラリーベルタンポワレ(パリ1区)
2024 中和ギャラリー(東京日本橋)
2021・2022・2023・2024 ギャラリーG(広島市中区)
(作者より)
「沼の絵」を描くようになって数年が経つ。
きっかけは、ある友人の言葉だった。
認知症の母と障害者の弟を介護する私のダブルケアラー生活について、ある友人に「まるで沼の中にいるみたい。」と愚痴ったところ、友人は手紙で
「沼って美しいものなんじゃないかしら。何色なんだろう。」
と返事をくれた。
生きていくうえでいろんな状況は訪れる。けれどもいつだって、ものごとは考えよう。自分次第で、取り巻く景色は違ったふうに見えてくる。 そんなことを気づかせてくれた言葉だった。
以来、沼のような(日によって、どろ沼、木枯らし吹き荒れる沼、星降る沼…さまざまである。)ダブルケアラー生活から、その時々の心模様を切り取っては「沼の絵」を描き続けている。
できれば、歳老いた母と弟で紡ぐ日々が、美しい沼であってほしいと願いながら。
2021年からギャラリーGで個展を始め、 今回で5度目となる。
毎回見に来てくださる方、たまたま電停で目にとめ訪れてくださった方、こんなつまらぬ自分に遠くからエールを送り続けてくれる友人…、すべての方々に、深く感謝申し上げたい。
2025年11月1日 中塩美知子