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天野寛子フリー刺繍画展 — 爆と曝 —

  • 会期:2023年5月23日(火)〜28日(日)
  • 時間:11:00〜18:00(最終日16:00)

 

 

— 爆と曝 —

 

この10年余り、東日本大震災を中心に据えて活動してきました。その一つが、フクシマの原発事故による「被曝者」の不安と呻き短歌をフリー刺繍作品に取り込むことでした。その時の「バク」は「曝」でした。

 今回、大竹幾久子著『いまなお原爆と向き合ってー原爆を落とせし国でー』(本の泉社)から、「爆」の地獄を、糸で作品にすることにチャレンジしました。

 

 著者の大竹幾久子さんは5歳の時被爆されました。5歳の記憶はおぼろげで、46年後にそれまで原爆の話を封印してこられたお母上(古田雅子さん)から、原爆が投下された「その時の家族の行動状況」を話してもらいそれを記録し、自身の現在までの「生」を確認しています。 インタビュアーが、娘であったからこそ表現できた「被爆者が同じ経験を共有する被爆者(家族)に語った被爆証言」です。

  (アメリカ在住の大竹幾久子さんは、今もアメリカの高校、大学、平和団体、教会などで証言活動をしています。)

 

 証言を残してくださった勇気に感謝するとともに、

「ノーモアヒロシマ、ノーモアナガサキ、ノーモアビバクシャ 平和よあれ」(p.160)という叫びを、時間をかけて「糸」で描きながら、再確認することになりました。

 

 

※フリー刺繍画とは、アップリケの上に糸で刺繍して絵を作っていく技法です。

 

 

天野寛子 AMANO Hiroko

1940年生まれ。昭和女子大学卒業後、助手・講師・教授を経て2009年退職、昭和女子大学名誉教授。著書『戦後日本の女性農業者の地位』(ドメス出版2001*日本生活学会今和次郎賞、山川菊栄賞受賞)、『繋ぐー天野寛子フリー刺繍画集』(2010)、『繋ぐ②—東日本大震災—天野寛子フリー刺繍画集』(2013)、『繋ぐ③—東日本大震災—針と糸で繋ぐこころの風景 ししゅう高田松原プロジェクト』(2021 天野寛子・中西朝子共編著)他多。

フリー刺繍歴:1986年桜井一恵に師事。「アトリエKAZUE」新橋教室に所属。2007年以後、東京、三重、沖縄、ウラジオストック、岩手、大阪、ニューヨーク(招待展)、京都、新潟等々で個展を開催してきた。