被爆70年祈念特別Gセレクション 遺されたものたち vol.3
本展覧会は、ヒロシマにある「被爆樹木(Bombed tree)」を、太陽を光源として、直接、感光紙とデジタルセンサーに焼き付けたフォトグラム(カメラを使わずに撮った写真やその手法)の作品展です。 被爆樹木とは、1945年8月6日8:15の原爆によって大きなダメージを受けた後も、再び芽吹き、現在も生きている樹木を指します。フォトグラムで被爆樹木を撮影しようと思ったのは、今生きている被爆樹木の「時間」をダイレクトに写し撮りたいと考えたためです。太陽を光源とし、感光紙やデジタルセンサーに直接焼き付けるフォトグラムの手法を用いる事で、1945年8月6日のあの瞬間から現在まで生きてきた樹木の「時間」を、掬い撮れるのではないかと考えました。
私は、空に幹を高く伸ばし、枝に沢山の葉を茂らせ、四季の変化をみせる被爆樹木に大きな生命力を感じ、2012年から毎年広島に訪れ制作しています。 2015年の今年は、戦後70年の節目の年です。今年の4月に撮影した被爆樹木の「春の時間」の新作を含む約30点を展示します。
作品を通して改めて「今」について感じ、考える時間となれば幸いです。
写真作家・造形ワークショップデザイナー
1982年、東京都葛飾区生まれ。
2004年より「時間」と「記憶」をテーマに写真作品を制作し始める
2006年、文教大学教育学部美術専修卒業
2008年、アートスペースKAPLを設立
2009年よりSMF(サイタマミューズフォーラム)協力委員
2014年、衣裳家:田村香織とアーティストユニット「SeeSew」を結成
制作者から鑑賞者への一方向のアートではなく、作品を通して相互に関わりの持てる「場」や「時間」をつくりたいと活動する。
2008年に「人・アート・地域の関わりを生みだすスペース」KAPL(コシガヤアートポイント・ラボ)を埼玉県越谷市に設立。代表を務め「アートでできること」を日々、模索する。写真作品制作の他に、美術教育の視点や方法論を応 用した造形ワークショップ、アートプロジェクトなどのフィールドワークも活発に展開。感光紙を用いて、身近な影を探して写し取る「影をつかまえる」、全身の影を撮影する「MAN-PRINT」などの写真ワークショップ、写真の原理を体験できる「カメラに入ろう!」や水面の連続写真の上を歩いて作品を体感する鑑賞ワークショップなどを展開している。
2014年から自費で写真集の制作もスタート。
【主な作品発表歴】
2015
・「呼吸する影−被爆樹木のフォトグラム−」@旧日本銀行広島支店地下ギャラリー(広島・中区)
2014
・「呼吸する影-Shadow of Bombed Trees-」@新宿ニコンサロン(東京・新宿区)・大阪ニコンサロン(大阪・大阪市)
2013
・「かがわ山なみ芸術祭」@MonoHouse(香川・綾川町)
2012
・「彩の国ダンスセッション2012―コレオグラファーの眼vol.9 光で紡ぐムーブメント」@さいたま芸術劇場(埼玉・さいたま市)
・「Yokohama Dance Collection EX 2012 contemporary dance showcase」@横浜赤レンガ倉庫(神奈川・横浜市)
・「アートフェスティバルうらわ2012」@うらわPARCO(埼玉・さいたま市)
2011
・「International art exhibition “Values” in New York 2011」@A forest Gallery(NY・チェルシー)
2010
・「International art Exhibition enrapturing-journey in Barcelona SPAIN 2010」@CON Gallery(スペイン・バルセロナ)
2009
・「アメリア・アレナスの対話型美術鑑賞ワークショップ」@芝の家(東京・港区)
2008
・「イオンActGreenArt」@イオンレイクタウンKAZE(埼玉・越谷市)
2007
・「Eternal Echo」@ A forest Gallery(NY・チェルシー)
2006
・「浅見俊哉作品展」 @川越市立美術館(埼玉・川越市)
・「Mite!おかやま」 @岡山県立美術館(岡山・岡山市)